研究活動・論文

間部克裕淳風会倉敷前センター長が、胃癌検診に関する総説を日本消化器内視鏡学会の英文誌Digestive Endoscopyに公表しました

2022年03月15日

研究を行った部門:
一般財団法人淳風会健康管理センター

研究を発表した者:
間部 克裕

論文情報

Endoscopic screening for gastric cancer in Japan: Current status and future perspectives
Katsuhiro Mabe, Kazuhiko Inoue, Tomoari Kamada, Katsuaki Kato, Mototsugu Kato and Ken Haruma

Digestive Endoscopy 2022; 34: 412–419

ポイント

  • 日本消化器内視鏡学会で考案されている、胃癌の主因であるヘリコバクター・ピロリ感染を考慮し、さらに、食道がんのリスクに応じた、年代別の新しい胃癌検診の方法を公開した。
  • 40歳未満であれば血液検査でヘリコバクター・ピロリ感染を診断し、未感染者で、喫煙、過剰飲酒、フラッシャーなどの食道がんのリスクがなければ検診間隔の延長を考慮する。リスクがあれば2年に一回の内視鏡検査の施行。
  • 40から49歳では胃エックス線検査でヘリコバクター・ピロリ感染を診断し、既感染と診断した場合、あるいは陽性であれば除菌療法を施行後、2年に一回の内視鏡検査を施行する。
  • 50歳以上では内視鏡検査による検診を基本し、ヘリコバクター・ピロリ感染陽性であれば除菌療法を施行し、その後、2年に一回の内視鏡検査を施行する。

日本胃がん検診ガイドライン改訂2014年版では、集団検診に内視鏡検査を用いることの有効性が明らかにされている。したがって、内視鏡検査とヘリコバクター・ピロリ除菌療法の普及により、胃がんがより早期に発見され、胃がん死亡率がさらに低下することが期待される。

しかしながら、高齢化が進み、胃がん検診の受診率が比較的低いため、胃がんは依然として日本におけるがん死亡原因の上位に位置している。内視鏡による胃がん検診の時代が始まったとはいえ、内視鏡医の地域偏在性などの課題も残されている。

本総説では、日本における胃がん検診の歴史について記述し、日本と韓国の内視鏡により胃がん検診の成果について、さらに、胃がんリスクに応じて個人を層別化することにより検診法を考慮する、現在進行中の、日本消化器内視鏡学会の取り組みについて述べている。

リスクの層別化による胃がん検診法の提案

胃がん検診法の提案

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