皆さまにより快適にお過ごしいただきたいという願いから、健診フロアを男女別とし、女性専用エリアを実現しました。ドレッサー室も完備しております。プライバシーに配慮した空間で、女性ならではのお悩みに関するカウンセリングや、乳腺超音波検査やマンモグラフィによる検査などがご受診いただけます。
乳がんは日本人女性で最も多いがんで、比較的若い年代にもみられるため日常的な自己触診とともにマンモグラフィや乳腺超音波を用いた定期的な検査が重要です。
医師による視診・触診とともにマンモグラフィや乳腺超音波などの画像検査を行います。良性の腫瘍である線維腺腫や女性ホルモンと関連して、とくに生理前に硬結や圧痛などの症状が強くなる乳腺症などは乳がんとの鑑別が重要になります。
マンモグラフィでは乳腺が白く、脂肪が黒く写ります。40歳未満の方は乳腺が発達しているため、マンモグラフィでは白っぽく写るため乳腺超音波をメインの検査に用います。40歳以降の方は乳がんに特徴的な微小な石灰化や特徴的な腫瘤影を認めることが多くなるため、マンモグラフィ検査を主に用います。また、乳腺超音波は腫瘤の形状や腫瘤の内部の状態を画像化するのが得意なので、それぞれの特徴を生かして検査します。妊娠中や授乳中の方は原則的にはマンモグラフィはできません。また、生理前はマンモグラフィで乳房を圧迫する際、痛みが出やすいため生理が終わって数日たってから検査を受けていただくことをおすすめします。
所見 | 意味 |
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石灰化 | カルシウムの沈着などが原因で起こります。良性の線維腺腫や異常のない場合でも生じますが、乳がんでも見られる場合があるため精査が必要になる場合があります。 |
乳腺症 | 女性ホルモンの影響でとくに生理前に圧痛や硬結などの症状がでる場合があります。病気ではないためとくに治療は不要ですが、痛みが強い場合は乳腺外科を受診してください。 |
乳腺のう胞 | 液体成分が袋状に詰まった状態の良性変化ですが年に1回は検査を受けるようにしましょう。 |
線維腺腫 | 良性腫瘍でとくに問題ありませんが、大きくなる場合は摘出することがあります。 |
構築の乱れ | 乳腺の歪みや引きつれている状態を言います。腫瘤が原因でみられる場合もあるため精査が必要になることがあります。 |
局所的非対称陰影 (FAD) |
乳腺の密度は個人差があり、通常左右差はほとんどないため必ず両方の乳房の画像を比較して調べます。FADは左右の陰影に差が認められる状態で精査が必要です。 |
高濃度乳腺 | とくに若い方は乳腺が密であるため、全体が真っ白に写ることがあります。異常ではありません。 |
不均一高濃度 | 高濃度乳腺よりは乳腺の割合が低いものの高濃度の部分があることを示しています。 |
乳頭分泌物 | 分泌物に血液が混ざるなどの場合、精査が必要になる場合があります。 |
乳管拡張 | 腫瘤が原因でみられる場合があり、精査が必要になる場合があります。 |
CC MLO | CCは頭尾方向といい乳房を上下挟んだ画像、MLOは内外斜位といい、乳房を内側から挟んだ画像を示しています。 |
乳房腫瘤 | 腫瘤のかたち、陰影の濃度、石灰化や構築の乱れなどの随伴所見をあわせて判定します。 精査が必要になる場合があります。 |
スピキュラ | 棘状の突起を伴った周囲の形が不整な腫瘤影でがんの存在が疑われます。 |
※乳房実質所見とは局所的非対称陰影(FAD)や構築の乱れなど腫瘤や石灰化以外にみられる乳房実質の異常をいいます。
マンモグラフィでは結果を5段階に分類して評価します。
カテゴリー分類 | 意味 |
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カテゴリー1 | 異常は認められません |
カテゴリー2 | 線維腺腫や乳腺症などの明らかに良性と判定できる所見です。 |
カテゴリー3 | 良性の可能性が高いが、悪性の可能性も否定できないため精査が必要です。 |
カテゴリー4 | 悪性の可能性があります。精査が必要です。 |
カテゴリー5 | 悪性の可能性が非常に高いので、精査が必要です。 |
一般的な婦人科検診における第一の目的は子宮頸がん、およびその前がん病変の検出です。
子宮がんには入り口の部分(頸部)にできる頸がんと子宮内部(体部)にできる体がんに分類できます。子宮がんの約70%が頸がんです。頸がんはHPVとよばれるウイルスの感染と関連が深く、若い世代にもみられる特徴があります。HPVは性交渉によって感染し、誰でも感染する可能性のあるウイルスで多くの場合は自然に消滅します。しかし、長期感染はがん化のリスクを上昇させます。20~30代の若い世代での発症が増えているので20代の方も1年に1回の検査をおすすめします。対照的に子宮体がんは50代にピークがあり、閉経後の女性に多く見られる特徴があります。
子宮頸がんは綿棒などで子宮頸部を擦り、その細胞を顕微鏡で観察する擦過細胞診と医師による内診を実施します。がん細胞や前がん状態である異型細胞がみられる場合、精査が必要になります。経膣超音波では子宮体部や卵巣の異常を調べます。また、MRI検査は骨盤内の臓器をより詳しくみることができます。
子宮頸部を綿棒で擦って細胞を顕微鏡で調べます。前がん状態である異型細胞が見られた場合などは婦人科での精査が必要になります。異型細胞は初期では自然に治ることがありますが、異型細胞が進展すると数年をかけてがん化することがあります。前がん段階・早期がんではほぼ100%治癒できるがんですが、情報不足や恥ずかしさから受診率が低いことが問題になっています。とくに20~30代ではこの20年で2~3倍も罹患率が上昇しているため、20歳からの受診をおすすめします。
所見 | 意味 |
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子宮筋腫 | 女性ホルモンの影響で発生・増大する良性腫瘍、大きさ・場所・出血状況等を総合的に判断して治療が必要になることがあります。 |
子宮頚部びらん | 内診でみえる血管が透けて見える状態です。びらん自体は病的なものではありませんが、がん細胞・異型細胞を調べる必要があります。 |
頚管ポリープ | 炎症などが原因で生じる良性の腫瘍ですが、悪性腫瘍との鑑別のため精査が必要です。 |
卵巣のう腫 | 卵巣にできる内部に液体成分がつまった腫瘍で、精査が必要です。 |
子宮内膜症・ チョコレートのう胞 |
子宮内膜は子宮内腔で月経周期に合わせて増殖する組織ですが、子宮内腔以外の場所に子宮内膜に似た組織ができる場合を子宮内膜症と呼び、疼痛と不妊の原因となります。チョコレートのう胞は子宮内膜症の一種で卵巣に発生し、排卵を妨げ不妊の原因になります。 |
カンジダ | 真菌(カビの一種)であるカンジダが何らかの理由で異常繁殖した状態で治療が必要です。 |
トリコモナス | トリコモナスという原虫の感染症で治療が必要です。 |
※乳房実質所見とは局所的非対称陰影(FAD)や構築の乱れなど腫瘤や石灰化以外にみられる乳房実質の異常をいいます。
【旧分類】(日母分類)
クラス分類 | 説明 | |
---|---|---|
クラスⅠ | 正常 | 1年ごとの検診受診 |
クラスⅡ | 良性の細胞変化です | 要再検査 |
クラスⅢa | 軽度~中程度の異型細胞を認めます | 要精査 |
クラスⅢb | 高度異型細胞を認めます | |
クラスⅣ | 悪性変化が疑われる異型細胞が認めます | |
クラスⅤ | 悪性の細胞が認めます |
1:扁平上皮系
結果 | 意味 | 従来のクラス分類 | |
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NILM | 正常な細胞 | 1年ごとの検診受診 | クラスⅠ・Ⅱ |
ASC-US | 軽度な細胞の変化が疑われる | HPV検査受診者 ・HPV(-)→1年ごとの検診受診 ・HPV(+)→要精査 HPV検査未受診者 要再検査 |
クラスⅡ・Ⅲa |
ASC-H | 高度な細胞の変化が疑われる | 要精査 | クラスⅢa・Ⅲb |
LSIL | ・HPVの感染 ・軽度異型成 |
クラスⅢa | |
HSIL | ・中等度異型成 ・高度異型成 |
クラスⅢa~Ⅳ | |
SCC | 扁平上皮がん | クラスⅤ |
2:腺細胞系
結果 | 意味 | 従来のクラス分類 | |
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AGC | ・腺異型 ・腺癌疑い |
要精査 | クラスⅢ |
AIS | 上皮内腺癌 | クラスⅣ | |
腺癌 |
腺癌 | クラスⅣ | |
その他の 悪性腫瘍 |
その他の悪性腫瘍疑い |
骨密度検査では、20~44歳の骨密度平均値の70%未満で骨粗しょう症と診断され、70~79%で骨量減少となります。
骨粗しょう症は、骨の密度が減り、骨がもろくなってしまう病気で、特に女性は、閉経後、女性ホルモンの急激な減少とともに骨量も減少するため要注意です。
淳風会健康管理センターでは、受診者の負担軽減を追求し、前腕用の測定装置を導入しています。
骨密度検査測定値 (単位:%) |
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基準範囲 | 80以上 |
要注意 | 70~79 骨量減少 |
異常 | 70未満 骨粗しょう症 |